君に咲く花火

1

エアメールを前に、私は呆然としている。
朝からセミの声がうるさいリビングで、何度も手紙を読み直した。

目の前には、仏頂面したお母さんが腕を組んで座っている。

・・・怖いって。

チラッとお母さんを見ると、眉をピクンと動かして私を見返した。

「で、どうするの?」

いつもより低音ボイスは、怒りの象徴。

「どうするの、って言われても・・・」

そんなの私だってわからないよ。
寝起きで部屋から出てきたら、いきなりこれを見せられたんだもん。

だいたい、私あての手紙を勝手に見るなんて、個人情報保護から言うとアウトなんだからね。
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