君に咲く花火
見回すと、アパートというかコテージのような内装。
受付の両端には、部屋がいくつか並んでいて、階段がちょこんとついている。

2階にも何部屋かあるようだ。

「小さなホテルなんだね」

そう言うと、
「そうだね」
と、私の手にソムサックは鍵を落とした。

202と書いてある。

「お姉ちゃんの部屋?」

「ううん、これが君の部屋。果凛のは201」

そう言うと、階段に向かって歩いてゆく。

「えっと、部屋は別なわけね」

後ろをついてゆきながら聞くと、
「そう」
とうなずく。

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