君に咲く花火
ま、『仕事があるってのはいいことだ』ってよくお父さんが言ってるから、そんなものなのかもなぁ。

でも、異国の地にひとりっきりにしないでほしいんだけどな。

そういうところが、お姉ちゃんは少し抜けてる。

「じゃあ、部屋で待っていて。僕の弟が後で街を案内するから」

「弟?」

「そう、弟」

そう言ってにっこり笑うと、ソムサックは扉を閉めて出て行った。

ふと見ると、ベッドの上に封筒が置いてあった。
開くと、タイのお金と思われるお札が何枚か入っている。

1000とか500とか20とか書いてある。
日本のお金にはない独特の匂いがした。

「おこずかい、かな」

ありがたくいただくことにして、財布にそれをしまった。

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