君に咲く花火
「ソムチャイも、日本語上手だね」

「上手ないよ。勉強たりない」

たしかに、日本語がおかしいところもあるけれど、私がまったく英語しゃべれないのに比べると雲泥の差だ。

ソムチャイは恥ずかしそうにはにかむと、
「外、行くか?」
と聞いた。

「外? ああ、観光連れて行ってくれるんだっけ」

「ソムサックに言われた。今日はもう夕方だから、ちょっと歩く」

「うん。了解」

寝ている間に、いつの間にか窓からの景色は夕暮れになっていた。

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