君に咲く花火
「それにしても、ほんとすごい人の数だね」

「クラウドね。外からのお客さんでこの島生きている」

ソムチャイが言おうとしていることはよくわかった。

観光客のおかげで成り立っている、ということだろう。

「でも、ソムサックもソムチャイも日本語ができて助かった。ひとりならどうすればいいかわかんなかったもん」

運ばれてきたマンゴーフロートを飲みながら、私は言った。

「ソムサック上手ね。僕、まだまだ勉強たりない」

「上手だと思うよ。ソムチャイは、いくつなの?」

見た感じでは、外国の人はなかなか年齢がわかりづらい。
同い年にも見えるし、ずっと上にも見えちゃう。

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