君に咲く花火
「だって、この日差しだよ。美白なんて無理だもの」

そう言いながらも、お姉ちゃんは涙をぶわーっと流している。

「もう、泣かないの。ほんっと、どっちが年上なんだかわからないじゃん」

「うう・・・」

ソムチャイがにこにこと笑っている。

その向こうから、ソムサックも顔を出した。
同じように笑っている兄弟は、ほんとよく似ている。

「いったいどうしたのよ。“緊急事態”って、いったいなんなの? ここに来るの、ほんっと大変だったんだから」

お姉ちゃんの体を離して、私は尋ねた。

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