君に咲く花火
「そうなの。まぁ、良かったわ。ふたりが仲良くなってくれて」

いや、仲良くもなにも、ちょっと案内してもらっただけだし。
こういうとこ、お姉ちゃん、全然変わってないな。

「それよりお姉ちゃん。“緊急事態”ってなんなの?」

話を核心に戻さないと。

お姉ちゃんは、ようやく涙から切り替えたのか、顔に笑顔を浮かべた。

私は黙って言葉を待つ。

「実羽。改めて紹介するわね。こちら、ソムサック」

「いや、だからさっき・・・」

「ソムサックと私は、このたび結婚することになりました」

そう言ったお姉ちゃん。

ソムサックの腕に自分の腕をからませて微笑んだ。

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