君に咲く花火
「遠く低いから」

「遠く低い? ああ、遠浅ってことね」

見ると、海の向こうの方にいる人でも、体の半分も水の中にない。
これならおぼれる心配もない。

「トオアサ・・・。OK、覚えた」

ソムチャイが寝転んで水をバシャバシャと跳ねさせた。

水はきれいで、昔、海水浴に行ったときの水とは明らかに違う。

私もなぜだか笑いがこみあげてきて、水を全身で躍らせた。

それにしても、太陽がなんてまぶしい。

普段、日本にいればそんなに感じることのないその光も、これだけ自己主張してくれば感じずにはいられない。

あの色白のお姉ちゃんが真っ黒になるのもうなずける話。

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