君に咲く花火
「向こう見て」

ソムチャイが指をさす。

そこには、大きな島が見える。

「あの島?」

「あの横の海からサンライズ」

「サン・・・ああ、日の出!?」

「そう、日の出」

へぇ。
水平線から日が昇るなんて。

ヤバい、テンションあがるって。

「ソムチャイ、日の出見たい。明日見に来ていい?」

「OK」

親指でサインを出して笑ったソムチャイは、浅い海を泳いでゆく。

遅れまい、と私も平泳ぎで前に進む。

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