愛しい瞳【完】
「ありがとう」
それを聞いたガブリエルは満面の笑みを浮かべました。そしてアレンの左目を掴みぐいっと引っ張りました。するとぷちりと音をたててガラクタがアレンから外れました。ガブリエルはその空っぽになった窪みにあの赤い瞳を埋め込みました。
「これでお揃いだね」
ガブリエルは自分の瞳を指差し言いました。
「うん!!」
ガブリエルと同じ赤い綺麗な瞳が手に入ったのと、他人と沢山話せたことが嬉しくて、アレンは明るい声でそう返しました。
「アレン、おやつ出来たわよ」
と、母親が家の玄関から顔を出しアレンの名前を呼びました。
「分かった!! それじゃあね、ガブリエル」
アレンはガブリエルに向かって手を振ると、家の中へと入っていきました。