Dear...
時間はあっという間に流れ、太陽は西の地平線へと姿を隠そうとしていた。
もうすぐこんな明るい色じゃない真っ黒の世界が始まる。
小さい頃は夜なんて大嫌いだった。
なんだか怖いし、お化けだって出そうだし。
友達と砂場で遊んだりも出来ないし。
でも大人になるにつれ怖いともお化けが出そうとも思わなくなった。
砂場で遊べなきゃカラオケとかどこか違うとこで遊べばいいじゃん。って思うようになった。
気が付けばあたしは昼間よりも夜のが好きになっていた。
昼間は太陽の光が眩しすぎる…
「あたしって変わってるのかなー?」
誰もいないのに、誰も答えてくれるはずないのに、あたしの口から思わず声が出てしまった。
「変わってる」
突然後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
とっさにあたしは後ろを振り返る。
「えっ?…うそ?」
またあたしの口から思わず声が出てしまった。