Dear...
頬に触れた時
初めて実感した。
右の頬に
一筋の涙が流れている事に。
「な、なんで?」
自分がなぜないてるのかわからなかった。
でも
シンに泣いてる顔は見られたくない。
あたしはとっさに手で顔をおおった。
顔をおおったせいで見えないけどシンがあたしに近づいてくる気配がした。
少しずつ縮まる距離。
あたしの目の前まで来てシンの動きが止まった。
その代わりに
シンの手が
顔を隠すあたしの手と重なった。
そしてゆっくりとあたしの手をどかしていく。
顔を隠したいのに…
それが出来ない。
だって
シンには顔を隠したところで全てわかっちゃうような気がする。
それに…
あたしの手の代わりにシンの手があたしの顔をおおう。
シンの手すっごくあったかくて優しい…