Dear...
「じゃあ俺そろそろ帰るよ」
シンはゆっくりと立ち上がってズボンに付いている草などを手ではらいはじめた。
やだ…
もう少し一緒にいたい。
「そっか」
でも
どうしても正直に自分の気持ちが言えない。
なんでこんな冷たい事しか言えないの?
ポンッ…
シンの手が
あたしの頭の上に乗った。
「またすぐ会えるから」
そう言うと
あたしの頭を軽く
ポンッポンッ
と
叩いた。
シンが言ってくれたその言葉だけで不安な気持ちなども一気に吹っ飛んでしまった。
まるであたしの気持ちがあなたにわかってるみたいだね。
すぐにあたしの不安を全部取り払ってくれる。
「うん」
あたしはシンのおかげで笑顔で力強く頷く事が出来た。