FOURTEEN DAYS


「さッ、樋口も来たし!みんな準備しよっか?」


雪紀の元気のいい声が教室に響く。

もちろん雪紀は、うちらだけに言ったつもりだったんだけど。


私は、雪紀の思惑通り、トイレの花子さん。

髪の毛が短くて背が低くて童顔だから、らしい。


・・・花子さんみたくおかっぱなわけじゃないけど。


花子さんの衣装は、白いブラウスに赤いプリーツスカート(肩ヒモ付き)。

ダサくて恥ずかしすぎて、暗がりじゃなきゃ着れないような格好。


・・・なのに


「きゃーっ!柚子、あんた超似合ってるよッ!!?」

雪紀が着替えた私を一目見るなりそう叫ぶから、教室中の視線が一気に私に集まる。


「ちょ、やめてよ雪紀・・・!!」


「柚子ちゃん可~愛いッw」

「神崎似合ってんじゃん!!」


素で可愛いって言ってる女の子や、ひやかしてくる男子。



くぅ~ッ・・・

くやしぃいい・・・・



< 145 / 240 >

この作品をシェア

pagetop