FOURTEEN DAYS


「次の日、真菜の姿を見て驚いた。ここまでした先輩が許せなかった。

でももっと許せなかったのは真菜をあんなにした奴等だった。

だから・・・だから・・・」


七菜はそこで言葉を発するのをやめてしまった。




「真菜をレイプした男たちは聞いたし、目星はついてたから、放課後の教室によびだして、野球部の部室から盗ってきた木製のバットで・・・ひとりずつ殴ってつぶしてったの」



いつのまにか、みんな泣いていた。

「ってわけで、英鈴にきたのっ でも、あの時は頭に血がのぼってて、どうかしてたんだよ・・・あんま覚えてないし・・・」


「ななっ・・・」


「怖がらせてごめんね。みんなに危害加えるなんて、普通にしないし、安心してね。でも、やっぱ怖かったよね・・・。私のこと、構わなくていいから」


みんな何も言えなかった。

何を言えばいいかわからなかった。

それでも七菜は、無理やり笑顔を作ってこう言った。


「じゃあね!なんか、盗み聞きしちゃったみたいでごめん。柚子にシャーペン返し忘れてたから返しにきただけなんだ!また明日ねっ」



私たちは、逃げるように走っていった七菜の後姿を黙って見ていた。



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