FOURTEEN DAYS


「おはよお・・・」

次の日。

やっぱり雪紀はいつもより元気がなかった。

それは私も同じなんだけどね。


あんな事実を本人から口にされて、とても一言では言い表せないような、そんな複雑な気持ちになった。

「おい、どうしたんだよ・・・ 二人ともテンション低すぎねえ?朝練もサボりやがって」

樋口が後ろからスパイクケースで頭を小突いてきた。

「痛・・・ 今日は寝坊したのー」

あからさまに不自然な態度の私をみて、樋口は首をかしげて海藤の元へ行ってしまった。

すると、隣に人の気配がした。



「おはよう」

そこには、いつもと変わらない笑顔の七菜がいた。

「お、おはよっ」

私も雪紀も完全に変。普通にしなきゃって決めたのに、どうも心と体はうまくかみ合わないようだ。

そんな私たちをよそに、七菜は涼しい顔でバッグから教科書を取り出している。




.
< 18 / 240 >

この作品をシェア

pagetop