FOURTEEN DAYS
「おはよお・・・」
次の日。
やっぱり雪紀はいつもより元気がなかった。
それは私も同じなんだけどね。
あんな事実を本人から口にされて、とても一言では言い表せないような、そんな複雑な気持ちになった。
「おい、どうしたんだよ・・・ 二人ともテンション低すぎねえ?朝練もサボりやがって」
樋口が後ろからスパイクケースで頭を小突いてきた。
「痛・・・ 今日は寝坊したのー」
あからさまに不自然な態度の私をみて、樋口は首をかしげて海藤の元へ行ってしまった。
すると、隣に人の気配がした。
「おはよう」
そこには、いつもと変わらない笑顔の七菜がいた。
「お、おはよっ」
私も雪紀も完全に変。普通にしなきゃって決めたのに、どうも心と体はうまくかみ合わないようだ。
そんな私たちをよそに、七菜は涼しい顔でバッグから教科書を取り出している。
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