FOURTEEN DAYS
しばらくの間は、パレードを見て私が「きゃー」とか「可愛いっ!」とか言ってるだけだった。
けど、そのうち無言でパレードに見入ってしまった。
・・・本当、可愛いっ♪
それに、隣に樋口がいる。
暗闇にまぎれて、そっと樋口の横顔を盗み見た。
綺麗に整った顔。
パレードに夢中になってる。
だいすき。
そんな言葉で頭の中がいっぱいだった。
すると。
―きゅっ
冷え切っていた手のひらが急に包み込まれるように温かくなった。
自分の手元を見ると、樋口が私の手を握っていた。