FOURTEEN DAYS
うしろから樋口がひょっこりと顔をのぞかせた。
「ただ、めちゃめちゃあんまいけどな!」
そういうと、樋口は八重歯をのぞかせて笑った。
樋口もなかなかの甘党で、よく雪紀と一緒にお菓子の話をしている。
2人が話しているのを傍から見ていたら、雪紀と目が合った。
すると雪紀は、急にとびっきりの笑顔を作った。
「あ、あたしトイレいってくんね!」
雪紀がおもむろに立ち上がる。
あたしたちは基本的にトイレもは一緒に、が当たり前だったから、わたしも行こうと席をたった。
「いやっ、柚子はそのまんまでいーよっ!樋口1人じゃ淋しいってさ~(笑)」
「言ってねーから!」
雪紀は樋口をからかうとさっさと教室を出て行ってしまった。
「あ・・・えと・・」
急に2人っきりにされてあがってしまい、話題がなかなか見つからなかった。
すると、樋口は雪紀の出て行った方のドアをチラ、と確認すると、私になにやら話しかけてきた。