FOURTEEN DAYS


それからも、七菜への陰湿な嫌がらせは続いた。

それを見つける度に七菜は悲しそうな顔をしたけど、前より涙を流す回数は減った。

もともと強かった七菜だから、なんだかすごくしっかりして見える。

七菜の上履きが隠されれば、樋口・海藤もまじって5人で探した。

机に落書きがされれば、みんなで見られないように隠しながら素早く消した。


私たちの強力なガードの成果が出たのか、嫌がらせは日に日におさまってきた。


―けど。

私の中では新たな醜い感情が生まれようとしていた。


七菜がいじめられていると知ってから、人1倍優しい樋口は七菜をほっとくはずがなく、最初のうちよりかなり多くの会話を七菜と交わしていた。

・・・樋口は、七菜がスキなのかな。


そんな事も考えるようになったある日、事件は起きた。



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