FOURTEEN DAYS
その日の給食のデザートはアップルパイだった。
たまたま海藤が何かやらかしたらしく、先生に呼び出されていて、先生と海藤が不在のまま給食は進んだ。
「え、何?海藤なにやっちゃったの?」
雪紀が興味津々に樋口を問いただす。
「あー・・・ なんかね、うん。本人来たらね」
樋口は口を濁した。なんか、相当マズそう。
「ちえー・・・ 樋口くんたらお人よしでさー」
雪紀が口をとがらす。
他愛もないことをはなしていると、
ガシャン!
と大きな音を立てて七菜の机の上に荒々しく給食がおかれた。
みんなが一斉に顔をあげると、そこには舞妃が見たこともないような剣幕で七菜を見下ろしていた。
「なんかあんた、最近調子乗ってんね」
七菜は舞妃をみあげたまま硬直している。
「どこかのおせっかい焼きたちが守ってくれてるみたいだけどさあ?うちらも正直こんなヌルい事ばっかかましてらんないワケ。」
「・・・じゃあ何もしなきゃいいんじゃんね」
雪紀が怪訝な顔をして私に耳打ちした。
「だからさあ、佐伯七菜ちゃん?今、カミングアウトしちゃわない?そしたらいじめもやめてあげるし☆」
絵梨奈がにっこりと微笑む。
その微笑みは、悪魔のようだった。