FOURTEEN DAYS
片想い
雪紀があの2人にアップルパイを投げつけてからは、いじめはぱったりとやんだ。
七菜も、本来の明るさを取り戻しつつあった。
あの事件以来、私たち3人はよりいっそう仲良くなった。
最近では恋バナをできるほどの仲に♪
・・・・でも私の中では、やっぱり醜い感情が隠れていた。
「で、スキなんだ?海藤の事。」
私は真っ赤になった雪紀の顔をのぞきこむ。
「~~ッ そうだよっ」
普段すごくさばさばした雪紀(おかしのこととなれば別だけど)だから、こういうハナシが聞けてすごく嬉しかった。
「雪紀には海藤ぴったりだよね~」
七菜も一緒に問い詰めている。
しかし、雪紀も負けじと反撃してくる。
「なっ、七菜はどうなのよう!いるでしょ?好きな人の1人や2人くらいっ」
「いやあ~・・・」
七菜は苦笑い。
でも私は、なるべく七菜の好きな人の話はしたくなかった。
たぶん、樋口は七菜のこと、好きだから。
七菜には樋口のことすきになってもらいたくないから。
私の中では、「嫉妬」という醜い感情がふくらんでいくばかりだった。