FOURTEEN DAYS


「あいついないから言うけどさ、俺いちごきゃらめる、食ってねーよ」

そういうと樋口は、小さい子供みたいに八重歯をのぞかせて笑った。


「あんな可愛らしいパッケージなんて恥ずかしくて買えないっつの」

ものすごく些細なことだけど、樋口と私だけの秘密って気がして、すごくうれしかった。


それと同時に、不安もわきあがってきた。


やっぱり、樋口は雪紀が好きなんだろうか。


よく話してるし、何より今の、うそをついてまで雪紀と話す、ということが決定的だった。


そんなことを頭の中で考えながらも、やっぱり秘密を共有できたようなうれしさのほうが若干上回っていた。


勝手に緩むほっぺをごまかそうと、私は樋口をからった。


「でも樋口が買っても違和感ないかもねっ!」

「いや~照れますね!」


「・・・褒めてないよっ」


終始いたずらっこみたいな笑顔を浮かべている樋口。




やっぱ、スキだなあ・・・
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