FOURTEEN DAYS
保健委員会は毎回何かと長引いて、終わるのはだいたい一番最後。
その日も終了時間を20分もまわってようやく終わった。
私はいつも教室に荷物を置いたまま委員会に行くので、一回教室にもどらなくちゃいけなかった。
いつもは誰もいなくて静かなはずの教室から話し声が聞こえる。
教室をのぞくと、窓際に樋口と七菜が座っていた。
まずい!
なぜか危機感?を感じた私は、とっさにドアの陰にかくれてしまった。
「・・・誰にも言ってないの?」
「いえなくて・・・あんな優しくしてくれてて、いきなり言うなんてできなくて・・・」
七菜は泣いていた。
何?何を隠してるの?
「でも、言ってあげたほうがいいと思う・・・ あいつらだって悲しむ」
「無理だよお・・・ タイミングつかめないし・・なかなか言い出せないもん・・・」
いい加減時間も時間だったので、私は教室に入ろうとした。
「泣くんじゃねえよ・・・」
私が顔をあげると、樋口は七菜の肩をよせてなぐさめていた。
「・・・・っ!!!!」
私はそれ以上見ていたくなくて、急いでかばんを持って教室を飛び出した。
「柚子っ!!?」
「神崎!?」
2人の声が重なったのをしっかり聞いて、よけい悲しくなった。
「なんで・・・なんで見たくないものばっか見ちゃうの・・・?
もう、辛いよお・・・」
帰り道、涙がとまらなかった。