FOURTEEN DAYS
俺を浩介って呼ぶのは、海藤だけ。
俺の名前が浸透してないのもこのせいなんだろうなー・・・
「でもさ、海藤」
「ん?」
「俺・・・なんか、さ。神崎に避けられると、やたら淋しくなるんだけど」
たぶん、俺の顔は真っ赤だったと思う。
海藤は一瞬驚いた顔をして、すぐにおどけた表情になった。
「・・・お前、神崎のこと好きなの?」
「は!?何ソレ」
俺が神崎を好きだ、なんて考えたこともなかった。
「無自覚じゃん。たぶん、好きなんじゃね?神崎のこと」
海藤が変に真面目な顔をするから、笑い飛ばすこともできなかった。
「神崎を、俺が・・・?」
「そ。シカトされて淋しいとか、もろ好きなんじゃん。わからんの?」
「んなの考えたこともなかった・・・」
海藤は教室の窓からグランドを見て笑った。
「んま、浩介は不器用だかんな!あせんなよっ」