FOURTEEN DAYS
その日は運悪く、樋口と日直だった。
順調に樋口を避けて、ちょうど1週間が経つ。
ぶっちゃけ、しょっちゅう樋口と話したい衝動に駆られてた。
けど私はもともと負けず嫌いで意地っ張りだったから、自分が決めたことを途中で曲げるのはすごく嫌だった。
「日直~ この保護者会の資料、ホッチキスで止めてくれ~」
なまけものの担任が太い声で日直の仕事を増やす。
・・・勘弁してくださいよお・・・
日直清掃だけで、息がつまりそうな空気になるのに。
私と樋口しかいない静かな放課後の教室には、ホッチキスの無機質な音が不規則に鳴るだけ。
「なあ、神崎」
不意に樋口が話しかけてきた。
「んー?」
生返事。
あんまり、ちゃんと返事しちゃうと話したくなっちゃう。