FOURTEEN DAYS
「樋口は気にしなくていいんだって!」
ほんのすこし、強めに言った。
声が震えてるのが自分でもわかる。
「あんさ、神崎?避けられてるの俺なのに、俺が気にしなくていいってどゆことさ?」
「・・・・。」
返す言葉が出てこなくなった。
「俺の事うざくなった、とか?」
その1言で、私の中で何かがぷちん、と音を立てて切れた。
うざくなるわけない。好きで好きで、おかしくなりそうなのに。
「放っておいてよ!樋口は何も悪くないから・・・
あたしが勝手に避けてるだけなの!!」
静かな教室に私の叫び声がこだまする。
「あっ、ごめ・・」
「・・わかったよ。ただ、ずっとこのままとか、俺嫌だかんな」
樋口が顔をあげて言った。
「お前、もう帰っていいよ。俺残りやっとくから」
・・・これだから嫌んなる。
樋口は、少し優しすぎる。
私はバッグを手にして、足早に教室を去った。