FOURTEEN DAYS


―1週間後

今日は3年1学期終業式。

「それではっ、みんな夏休みだからってー、ハメをはずしすぎるなよー」

担任の決まり文句。みんな、ため息ばかりついていた。

その中で、七菜だけが、やたら体を強張らせてずっと下を向いていた。

「・・・?」

声をかけようとしたその時、担任からこんな言葉が飛び出た。


「それと最後にー・・・ うちのクラスメイトが1名、転校することになった」

「え、誰ー?」

「この時期にー?」

クラス中がざわざわする。

七菜は相変わらず体を強張らせている。

というより、さっきよりも小さくなっている。


「親御さんの仕事の都合で、佐伯さんがカナダに転校することになったー」


『え!!?』

私と雪紀の声がシンクロした。

七菜はおそるおそる顔を上げる。

「え、転校って・・・七菜?しかも、カナダ・・・?」

雪紀が私の聞きたいことを全部聞いてくれた。


「ごめんね、黙ってて・・・ どうしても言えなくて・・・」


七菜の大きな瞳から、大きな雫がこぼれた。


「本ッ当に短い間だったなあ・・・ 佐伯さん、あいさつしてくれーい」


先生はわざとらしく鼻をすする。

そういうの、迷惑・・・



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