FOURTEEN DAYS
すごいよ。
こんなに全てが可愛い人、はじめて見た。
そう思わせるくらい、声は澄んでいてとても綺麗だった。
「じゃ、佐伯さんの席は・・・おっ、神崎の隣空いてんなあ」
不意打ちで名前を呼ばれ、びくっとした。
静かに隣に佐伯さんが座った。
すると、彼女はこっちを向いて恥ずかしそうに微笑んだ。
「よろしくお願いしますッ」
私はもとから人見知りする方だったから、あっちから声をかけてもらって助かった。
「佐伯ー、わかんないことあったら誰にでも聞けよー。樋口は学級委員だから、余計世話してやってくれ」
先生が私の席の前の樋口に言った。
樋口は、はい、と返事をすると佐伯さんを見た。