FOURTEEN DAYS
七菜の顔に一瞬だけ影がさす。
「んとー・・・ 実は今日の3時の飛行機、だったりして・・・」
バツの悪そうな顔で無理に笑う七菜。
あまりに出発までに時間がなくて、あせる私たち。
「え、3時って・・・あと2時間!?準備、平気なの?」
「ん。準備はもうしてるし、空港までそんなかかんないし。
・・・でも、そろそろ帰らなきゃまずいのかも」
・・・
沈黙。
何も言わなくても、みんな帰らないでほしいって思ってるのが分かるような、重たい空気。
「・・っごめんね!!なるべくぎりぎりまでこうしてたかったんだけど・・・
でもね、最後に1コ、伝えたいことがあるの!」
七菜が沈黙を破り、明るい声で言う。
「あたし、みんなのこと、ぜーったい忘れないから」
雪紀の目が潤んでく。
そういう私も、すでに半なき状態。
「だから、みんなもあたしの事忘れないでほしいかなーって、さ!」
そう言った七菜の目に涙が浮かんでるのがわかると、私も雪紀ももう堪え切れなかった。
女子3人して、大声で泣いた。
そのあと、5人で笑った。