いきば〜禁断の蕾〜(完結
ある部屋の前で立ち止まると、メイドは扉を叩いた。

「はぁい」

中から返事が聞こえ扉が開く

長い髪を後ろで束ねた二十代ほどの若い女性が顔を覗かせた。

大方、この人が耶夜さんだろう。

「新しく入ったメイドです。」

メイドが蕾を紹介してくれた。


「これから宜しくお願いします」

蕾は、頭を下げる

「これは、また小さい子が入ったのね。宜しく」

ニコッと前屈みになり笑い掛け蕾を中に入れてくれる耶夜

優しい感じの人だ。

少し安心した。

「はい」

蕾は、笑って返事する。

「やだぁ可愛い。
私、妹が欲しかったの」

那夜は、ニコニコしながら言った。

「私もお姉さん欲しかったんです」

蕾も、一人っ子なので姉が出来た様で嬉しかった。

「本当?嬉しいわぁ。
お姉様って呼んでね」

片目でウィンクして嬉しそうに笑う耶夜

蕾は、苦笑いしつつ頷いた。

「今日は、もう寝よっか。
疲れたでしょ」

耶夜は、蕾に笑いかけ、ベッドまで案内してくれた。
蕾はベッドに入り込み

「お休みなさい。お姉様」

と言って瞳を閉じた。

耶夜は、『お姉様』と呼ばれたことに顔をほころばせる。
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