いきば〜禁断の蕾〜(完結
「好きだったんだ。もうずっと前から

そう、きっとあの時

火葬場で出会ったあの時から」



声を震わせながら言う初騎
蕾は固まる



初騎くんも私の事を…






「お前は…
俺の事どう思ってんだ」

蕾を真っ直ぐ見つめて来る瞳

蕾は見返すことが出来ず目を反らた


「兄妹だもん」

初騎に向かって、はき捨てる蕾


その言葉は

自分にも言い聞かせる言葉でもあった




そう『兄妹』なのだ




「そんなの関係ないだろ!
お前の気持を聞いているんだ」

低く言う初騎

蕾は、しばらく黙っていたが

重い口を開けると








「好きじゃない」



呟いた

「なっ!…そっか」

初騎は何か言おうとしたが、言葉を飲み込み堪ると
蕾を離した

その後、二人に会話は無かった


神宮家に着く少し前に公園で着替えを済ませた



神宮家に着くと
蕾には休む暇など無く、メイド服に着替えると
顔を洗い化粧を落として尚都の所へ向かった





仕事を全て終わらせ部屋へ戻れたのは11時過ぎだった

着替えて直ぐにベッドに潜り込む


一人になるとだんだん寂しさが込み上げて来た

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