いきば〜禁断の蕾〜(完結
いつの間にか泣いていた






「好きじゃない」




嘘付き



本当は好きだよ


好きなんて二文字じゃ足りない程



初騎君が好き





でもこの気持を伝えても


きっとどうなも為らない




なら

伝え無い方が良い




こんなに辛い思いするのは
私だけで十分だ…








もういっその事消えてしまいたい。



一瞬そんな事を考えた蕾



その思いは、段々とふくれ上がって行く





消えてしまえたら…





蕾な頭の中で走馬灯が駆け巡っていた。





消えてしまえたら…




もう沙紀の虐めに耐える事も無く




秀哉の告白の返事もしなくていい



明日の学校で彩乃と気まずくならないし




何よりもう初騎に合わないで済む



初騎に会えばまた苦しくなるだろう



いくらもがいても貴方に手は届かない

ただ苦しいだけなら
いっそ…



この世界に居場所など無いのだから



蕾は思い立ち上がる



迷い無く屋上へ向かった



4階建ての神宮家


上手く行けば…





蕾は、屋上に出る


暗い夜空は限りない暗闇の様
< 101 / 248 >

この作品をシェア

pagetop