いきば〜禁断の蕾〜(完結
誘われる様にフェンスを超える


下を見下ろした


下は見えない


まるで底の無い奈落の様



風が気持良い




やっぱり思い浮かぶのは初騎の事



私達は、どう転んでも白雪姫の様なハッピーエンドなど無い



あるのはバッドエンドのみ


蕾の目からはいつの間にか涙が溢れていた。








「さよなら初騎くん…
好きじゃ無いなんて嘘
本当は好き
好きなんだよ」


蕾は震えながら言うと



そのまま飛び降りようと思った


その時







「何やってんだ!!」



逃れたいと思う程好きなアノ人の声が、限りない暗闇に響いた




蕾はユックリ振り返る


「蕾、こっち来い」

いいながら近づいて来る初騎

何でここに居るのか分からなかったが



最後に会えた



蕾は軽く微笑と
そのまま、まるでベッドに寝る転ぶ様に後ろ向きに屋上から飛び降りた



「馬鹿やろう!!」


その瞬間に初騎もフェイスを飛び超え
蕾に触れたものの間に合わなかった


初騎も直ぐに飛び降り、空中で蕾を抱きしめ

下敷きに成るように態勢を替える

蕾も慌て変えようとしたが一瞬の事
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