いきば〜禁断の蕾〜(完結
桜井は、先程から一番わめいていたリーダーだと思われる男を睨み下ろすと

「これは麻薬だな」

もう一度、白い粉を男の目の前に出す

「…」

顔を歪め、黙っている男

「どうなんだ」

桜井は男の首元を掴み上げる

ヒッ

男は情けない声を上げ、こくこく頷いた。

「やっぱりな」

桜井は、冷たく言うとポケットから携帯を取り出し警察へと電話をかけた

警察は、直ぐに来て男達を連れて行く

桜井は、それを見送ると直ぐに路地裏から抜け出し
止めておいた車を走らせた



途中で初騎と蕾を見つけ車に乗せる

「初騎様!怪我の具合は」

桜井は、心配そうにバックミラーごしに初騎見る

「大した事無い」

桜井には、初騎が強がっている事が直ぐに分かった

「このまま直ぐに病院まで走らせますからね」

桜井は言うとアクセルを強く踏む

「桜井こそ大丈夫なのか」

初騎は辛そうな声を振り絞る

「大丈夫です。
もっと早く見つけていられたら…
蕾様も大丈夫ですか」

桜井は、蕾にも目を向けた

蕾も大分怪我をしている。
結構重症かも知れない…

苦しそうな初騎の肩を支えている手にも力が入って無い様に見える
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