いきば〜禁断の蕾〜(完結
「うん、男の人達に麻薬をあげるって言われて断ったら…」

「何で声を上げないのです」

蕾の言葉に桜井は不思議に思い、尋ねる

「うん、自分一人で何とか為たかったの
強くなりたくて」

蕾の『強くなりたい』と言う言葉には
多分色々な意味があると思うが

「貴女に何かあったら初騎様が悲しみます。
そういう時は声を上げて下さい」

桜井は、言い聞かせるように言う

蕾は

「ごめんなさい」

小さく言うとコクッと頷いた

「これからは蕾様もお守り為なければですね」

桜井は苦笑いをした

「え?」

蕾は、あまり意味が分からず聞き返す


「私は運転手兼、初騎様専属のボディーガードなんです」


桜井は微笑する

「えっ?そうなの」

蕾は『全然知らなかった』と目を見開いた

「まぁ、自分が勝手に言ってるだけなんですけどね」

桜井は、呟きながら初騎との出会いを思い出していた。













それは、まだ桜井が神宮の運転手に成り立ての頃

才能があると言われていた剣道も辞めていた。

理由は、ただ単に飽きたというだけの事

自分は元々チヤホやされるのは嫌いな性分

思い切って気分転換してみた訳だが
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