いきば〜禁断の蕾〜(完結
「初騎君だよ」
だって諦められないものを更に諦められなくさせる
酷いでしょ
『そんなの関係ない』
一緒に逃げたあの日、言われた言葉
嬉しかった
でも私は逃げ切る自信が無いよ
自分達の運命から
いっそのこと
あのまま
ずっと二人で逃げられたら良かったのに…
やっぱり私達は兄妹だから…
『寂しかったら…』
私を寂しくさせるは貴方だよ
電話なんか出来ない
蕾は、そう思うと
いつの間にか流れていた涙を腕で拭い
立ち上がり初騎から貰った携帯を鞄にしまった。
本当は持っていたく無かった
でも初騎君から連絡があるかも知れないし
持っていなきゃ
蕾は、再びベットに入る
今日は、もう寝ることにしようと部屋の電気を消した。
「メール来ないな」
一人呟く初騎
そんなに直ぐ送って来るとは思っていないが
期待してしまう。
自分でも女々しいと思うが
嬉しくて
「俺と蕾の携帯か…」
我ながら、らしく無いことを言ってしまったな