いきば〜禁断の蕾〜(完結
「嘘…
辛そうな顔してるよ」

尚都は言うと

「はぁ」

溜め息を付き窓を見た

「そんなに兄さんが好きなんだ…」

重い口調で言う

蕾は答えられず、うつ向いたまま
ひたすら窓を拭き続けた

「もし、僕ら血が繋がって無くても
蕾は兄さんを選ぶんだろうね」

尚都は、更に続けて言うと目を細めた

蕾は黙って窓を拭き続けた

一言でも口を開ければ現実に泣いてしまいそうで

蕾は、急いで片付けをして慌てて尚都の部屋から飛び出した。

自室に戻るまで我慢出来ず
廊下を泣きながら歩く蕾

「あれ、蕾様?
泣いていらっしゃるんですか?」

急に聞こえた声

蕾は、慌てて涙を拭い顔を上げた

目の前には心配そうな顔付きをする桜井が立っていた。

「どうなされたのです?」

桜井は、蕾の赤い目に確信しハンカチを差出した。


「うっうっ桜井さん」

蕾は桜井の優しい顔を見て関を切った様に泣き出した。

「蕾様!?」

桜井は驚いて蕾を見る

取り敢えず廊下ではと思い蕾の部屋まで行く

桜井は、蕾をベットに座らせ

「どうなさったんです?」

再び問掛けた

「初騎君と私は兄妹で…うー」

泣きながら言う蕾
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