いきば〜禁断の蕾〜(完結



亡畑井花帆



「あっ」

桜井は、それを見て気づき声を上げた

「そう私のお母さんは亡くなってるの
なのに初騎君の方には『亡』の文字が無い」

蕾は言うと確信して


「初騎君と私のお母さんはまっまくの別人
只の同姓同名だよ」

と続けると桜井を見てニコッと笑った

「っと言うことは
蕾様と初騎様は…」



「兄妹じゃない!」



桜井と蕾は掛け声の様に交互に言うと手を合わせた。

「早く初騎君に知らせなきゃ」

蕾は、言うと
初騎と自分の戸籍抄本を受付の人に返し
桜井と役所を飛び出した。

車に乗り込むと蕾はポッケに手を突っ込み携帯を取り出す。

「あっ」

蕾は急に不安な声を上げた

「どうかさましたか!?」

桜井は空かさずバックミラーで蕾を確かめる

「携帯…画面着かない」

蕾は困った様に桜井を見る

昨日、昭一に投げつけられた時壊れたのか

それが一瞬にして二人を不安にさせた。

桜井は、慌てて道を端に避け車を止めると
自分の携帯から初騎に電話を掛ける

だが電源を切っているのか繋がらない

「ちっ」

舌打をする桜井
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