いきば〜禁断の蕾〜(完結
「分からない。
でも重体らしいんだ」

うつ向いたまま言う尚都


そっ




そんなぁ…





せっかく兄妹じゃなかったのに…



どうして



蕾は、心配に胸が張り裂けそうになる。




神様…



もう一度



もう一度


初騎君を助けて



必死に車の中で願った。


桜井が急いでくれた事により
普通よりカナリ早く病院に着くことが出来た

それでも蕾はその時間が永遠に感じられた

ナースステーションで初騎のことを聞くと
直ぐ様、手術室の前まで駆けて行った

[手術中]

電灯が薄暗い廊下を薄暗く光っている

外は既に暗くなっていた

手術の前の椅子に座る蕾達

不安と心配に胸を潰されそうになる













一時間後

手術中のランプが消える
薄暗かった廊下は更に薄暗くなった。

ゆっくりと開く手術室の扉

中から出てくるタンカー

蕾は慌て先生に駆け寄った

「初騎君は!」

蕾の問いに先生はニコッと笑った

「大丈夫ですよ」

言うとタンカーをそのまま初騎君の病室まで運んだ
< 240 / 248 >

この作品をシェア

pagetop