いきば〜禁断の蕾〜(完結
「っつ」

まだ手術の痛みの残っている体に顔をしかめる

「蕾?
何泣いてるよだよ」

自分を覗き込む顔に気付いた初騎は、蕾を見上げた

「馬鹿!
何回心配掛けたら気がすむの?」

軽く怒鳴る蕾

「死んじゃうかと思ったよ」

初騎の胸ぐらを叩く

「いたっ」

顔をしかめて言う初騎

「自業自得よ!」

蕾は、軽く怒る

「何怒ってんだよ」

初騎は言うと眉を寄せる

「大体ねぇ
初騎君は頭良いけど大事な所で馬鹿なのよ」

言い切り蕾

「何だよ」

意味の分からない初騎は蕾を見る

「私のお母さんは、亡くなったの。
初騎君のお母さんは『亡』が付いて無かったでしょ」

蕾は言うと呆れた様に初騎を見た

「えっ?」

まだ意味が分からない初騎は蕾を見上げる

「大体!
私は3月、初騎君が1月生まれ!
そんな短い間に同じ人が二人も子供産むわけ無いでしょ」

蕾は呆れた様に言うと
溜め息を着いた

「そっそか…
じゃあ俺ら」

初騎が顔を輝かせる

「そう、兄妹じゃないの」

ニコッと笑う蕾に初騎は苦笑して
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