いきば〜禁断の蕾〜(完結
顔を引き吊らせて
頭を両手で守りながらシャガミ込む蕾

「似てるわ段々似てくる」

髪を掴み引っ張り上げ
無理矢理にも蕾の顔を上げさせる沙紀

「叔母様痛い」

あまりの痛みに涙を浮かべる蕾

「痛い?そう」

クスと笑う沙紀

蕾は、恐怖と痛さで涙が止まらない

「叔母様離して」

懇願する蕾
だがそんな願い沙紀が聞き入れる訳がない

髪を掴んだまま蕾の腹部を数回殴る沙紀

「うっ、いたっ痛い叔母様辞めて」

蕾は痛みに耐え兼ねて泣き叫ぶ

「良いきみだわ
あの世の花帆(かほ)の顔が見たいわね」

花帆とは蕾の母の名前

最近、沙紀は蕾の母へ当て付けかの様な事を口走り
蕾に暴行を加えるようになった

いつもなら耶夜が助けに来てくれるのに
何故か今日は来てくれない

「耶夜お姉様、助けて」

思わず耶夜の名前を口走る蕾

沙紀が不適に笑った

「耶夜は来ないわよ
クビにしたから」

クスクスと声を漏らして笑う沙紀

『クビ』

沙紀の言葉に蕾の頭は一瞬時を止め暗闇になった。

何度も沙紀の言葉が木霊している

「どっうして」

蕾は困悪し目を見開く

クビ?

耶夜は、良く働くしクビにする理由など無いはずのに…
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