いきば〜禁断の蕾〜(完結
「俺がお前を守るから」

囁く初騎


同時に蕾の心臓は、飛び出すかと思う程高鳴った


「初騎くん…」

蕾は、悲しく初騎を見つめた

気付いてたんだ本当は


そう


たぶん



火葬場で声かけて貰ったあの日から







自分が初騎に恋してること…




今更自覚するなんて


馬鹿みたいだよ


蕾は、泣き出した


「蕾…」

蕾を抱き寄せる初騎



「辞めてよ」


蕾は、小さく呟くと初騎を突き飛ばした

「蕾!」

切なく名前を呼ぶ初騎


「優しくしないで」

蕾は、叫ぶとその場所から走り去った。

「蕾っ!」

名前を呼ぶ初騎


止めてよ

優しくするなんて


嬉しくて


また好きになっちゃう


もっと好きになる


でも伝えては
悟れてはいけない


だって





私達、兄妹んだもん



蕾は、泣きながら部屋に駆け込み

勢いよく扉を閉めた

「ひっくひっく」

部屋に響く鳴き声

壁にもたれかり涙を拭う蕾


それでも涙は止まらない

「苦しいよぉ」

蕾は、吐き出す様に言い
その場にいうずくまった


蕾は、本当に居場所を失った気がした
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