いきば〜禁断の蕾〜(完結
いつの間にか初騎の頬を冷たい物が濡らしていた。












時間になり、家を出る二人
車の中、空気が重たい

蕾は、初騎を気にしていた。

やっぱり初騎に声を掛けて貰えば、凄く嬉しい

でも兄妹なんだ

さっきは、複雑で
苦笑いしか出来なかった

初騎君が謝ってくれてるのに

初騎君が悪い訳じゃないのに

『感じ悪い女』って思われたよね…

蕾は、うつ向いく


はぁ


こんなんなら


出会わなければ良かった


出会わなければこんな、辛い気持にならなかったのに…



こんなに辛い思い、しなかったのに


神様は、意地悪だな


蕾は、気付かれ無いように、うつ向いたまま密かに涙を流した











学校に着き、教室に入ると
いつもの様に話し掛けて来た彩乃に、なんだかホットした

「今日は、間に合いましたわね」

嫌味たらしく言う彩乃
でも彼女の場合可愛く見えてしまうのが不思議なところ

「あっ、うん」

蕾は、顔の痣に気付かれ無いよう頭を下げたまま対応する

だが彩乃は直ぐに変だと思った

いつもは自分を見ながら話す蕾

そこが気に入っている所なのに
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