いきば〜禁断の蕾〜(完結
「あっゴメン次、移動だよね」
無理して笑う蕾
上手く笑えない
「無理しないでよ」
呟く彩乃
「友達と思って居たのは私だけですの?
蕾が辛いなら私も辛いですわ」
顔を上げた彩乃の目には涙が溜っていた。
「彩乃…」
蕾の動きは一瞬止まる
彩乃を見上げた
「ごめん」
としか言えなかった
沙紀の命令は絶対
それに
自分の生い立ちなど言えない
彩乃に嫌われるのが怖い
蕾は顔を下げた
「もう知らない」
彩乃は、泣きながら走って行ってしまった
「彩乃まっ」
蕾は、追いかけようと教科書を持ち立ち上がった
が、自分に追いかける資格などない
ただ立ちすくんだ
その様子を、初騎はただ見つめていた。
あれほど泣かせたく無いと思っていた蕾が、今にも泣きそうに立ちすくんでいる。
声を掛けたい
守りたい
気持はあるものの
どうしたら良いか解らない
自分には蕾を傷つける事しか出来ないのかも知れない
昨夜の蕾の声が蘇る
「優しくしないで」
そう叫ばれた声
意図は解らない
が、自分の行為が蕾を更に傷つたのは明らかだった
自分には何も出来ない
無理して笑う蕾
上手く笑えない
「無理しないでよ」
呟く彩乃
「友達と思って居たのは私だけですの?
蕾が辛いなら私も辛いですわ」
顔を上げた彩乃の目には涙が溜っていた。
「彩乃…」
蕾の動きは一瞬止まる
彩乃を見上げた
「ごめん」
としか言えなかった
沙紀の命令は絶対
それに
自分の生い立ちなど言えない
彩乃に嫌われるのが怖い
蕾は顔を下げた
「もう知らない」
彩乃は、泣きながら走って行ってしまった
「彩乃まっ」
蕾は、追いかけようと教科書を持ち立ち上がった
が、自分に追いかける資格などない
ただ立ちすくんだ
その様子を、初騎はただ見つめていた。
あれほど泣かせたく無いと思っていた蕾が、今にも泣きそうに立ちすくんでいる。
声を掛けたい
守りたい
気持はあるものの
どうしたら良いか解らない
自分には蕾を傷つける事しか出来ないのかも知れない
昨夜の蕾の声が蘇る
「優しくしないで」
そう叫ばれた声
意図は解らない
が、自分の行為が蕾を更に傷つたのは明らかだった
自分には何も出来ない