いきば〜禁断の蕾〜(完結
だだ彼女に救って貰うしか出来ない


光を貰っておきながら
闇から救ってあげられない


闇しか与えられ無い



なら…



やっぱり近くに行く資格なんて無い


初騎は、そう思うと静かに立ち上がり
一瞬蕾を見ると教室を出た





「蕾、何があったのか言ってくんなきゃ…
心配なんだ」

蕾に近づき肩を掴む秀哉

「ごめん」

蕾は、ただこの言葉しか使え無かった


違う言葉は使え無い

「仕方ない
決めたら曲げないからなお前」

溜め息を付き優しく蕾を見る秀哉
蕾は、少し微笑んだ。

秀哉と廊下を歩く

足取りは重く
暗い表情を緩めない蕾

明らかにいつもの蕾では無かった

秀哉は、色々話しかけ笑わそうと試みたが

その笑顔は悲しみを隠していた。

秀哉は、そんな蕾を見かね、いきなり腕を引っ張ると抱き締めた。


「えっちょと秀哉くん?」

流石に驚きを隠せず目を見開き
教科書類を落とす蕾

廊下にその音が鳴り響く

幸運にも回りに人は居ない

だがそんなのは関係無かった

「何があったんだよ。
何だよその痣
何で何も言わねぇんだ」

詰まっていた言葉を吐き出す様に言う秀哉
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