いきば〜禁断の蕾〜(完結
「ごめんね。気にしないで
お父さん最近仕事忙しくてピリピリしてるんだ」

尚都は、心配そうに蕾の顔を覗き込んだ。

「うっうん」

蕾も苦笑いして尚都を見る

尚都は、蕾の手を引っ張っると

「行こう」

ニコッと微笑んだ。

「うん」

蕾は、頷くと尚都と一緒に火葬場を出た。

蕾達の後に付いて初騎も火葬場を出る。












外に出ると直ぐに車に案内された。

すごく大きな車だ。

きっと凄いお金持ちなのだろう

助手席には尚都が座り蕾の隣には初騎が腰を下ろした。

車の中では、みんな無言だった

少し居にくい空気

時折オジさんが吸ってるタバコが鼻についた。

そういえば、この人が父の兄なら蕾の叔父に当たるはずだ

何故、私は知らないのだろう

それとも会った事を忘れているのかな?

蕾は不思議に思った。












しばらく走ると、車は大きな家の前に止まった。

蕾は、車から降り、その家を見上げる

立派な家だ

金持ちだとは思っていたが…
まさか此処までとは

足がすくむ

叔父は、先に家の中へと入って行った。
< 8 / 248 >

この作品をシェア

pagetop