いきば〜禁断の蕾〜(完結
粗方の仕事を早め終らせて
学校の用事など適当にでっち上げ
家を抜け出そう

蕾は、そんな事を考えながら黒板の文字を写した。





その日1日
休み時間になる度に彩乃がお茶作法を教えてくれた





「よし、後は実戦あるのみですわ」


ニコッと笑う彩乃

既に下校時刻

初騎が、蕾を廊下の外で待って居た

「大丈夫かな」

蕾は、少し不安になる
失敗したら彩乃に恥をかかせてしまう

「大丈夫ですわ
やっぱり蕾さんは飲み込み早いですもの」

ウィンクする彩乃

「本当に?」

まだ不安そうに彩乃を見上げる蕾

「もう、心配症ですわね
初騎さん待ってますわよ」

蕾を立たせると鞄を持たせ、ほらっと肩を押す彩乃

「うん、じゃあまた明後日」

蕾は、まだ不安であったが
初騎を待たせている手前もあり
彩乃に手を振り教室を出た

「初騎君ごめんね」

初騎の所まで行くと、先ず謝る蕾

初騎は、何も言わず先を歩く

怒っているのか


蕾は、少し心配になる

あまり今は、初騎と二人っきりになりたく無かった

初騎もそうなのだろう

足が自然に早歩きになっていた。

玄関を出る所で

いきなり初騎に話しかけられた
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