いきば〜禁断の蕾〜(完結
「神宮です」

初騎の声に、向こうは理解したらしく

〔中へ入って下さい〕

メイドは言うと、ほぼ同時に門が開いた

初騎に引っ張られ中に入る

初騎のおかげで、差ほどビク付かず中に入れた

広い庭には、桜や桃の花が咲いていた。

大きな池には、錦鯉も泳いでいる

「綺麗だね」

ニコッと初騎を見る

不意に目が合ってしまった。

驚いてお互い離してしまう。

その時

「蕾さーん」

自分を呼ぶ声に、蕾はそちらに目線を向ける

「彩乃!」

彩乃が走って来ていた

「待っていましたのよ」

目の前まで来ると蕾の手を引く彩乃

同時に初騎に握られていた手は離される。

「初騎さん、着替える所分かりますわよね」

「ああ」

彩乃は、初騎が頷いたねを確かめると
蕾を連れ屋敷の中へ入った。

「此処ですわ
お入り下さい」

蕾は、ある部屋の中に通された

「この子、私の友達ですの宜しくね」

彩乃は、中に居たメイドに蕾を突き出すと走って出て行ってしまった。

「お嬢様が自分からお友達をお呼びするなんて珍しい」

メイドは、嬉しそうに呟きながら蕾の着物を選び始めた
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