いきば〜禁断の蕾〜(完結




「本当…だよ」



消え入りそうな声でもハッキリと認める蕾

初騎は、ハァーとため息を付き
頭に手を当てて、うつ向いた



「マジかよ」


小さく呟く

「何で黙っていたんだ」

未だ厳しい口調で聞く初騎

だが内心、辛くて泣きそうであった
それを誤魔化すため厳しく言ったのだ




「嫌われたく無かったから」



蕾は、振り向かずに答えた
だが、涙声なのは初騎にも分かった


「蕾」

呟くと手を引っ張る初騎

「わぁ」

蕾は、初騎の胸に倒れ込んだ

「嫌いになる訳無いだろ」

反対に嫌いになれたらどんなに楽な事か

初騎は一瞬顔を曇らせた


優しく呟く初騎の声も
今にも泣き出しそうに震えていた

「本当?」

蕾は、初騎を見上げて聞いた

「ああ、当たり前だ」

蕾は、それだけ聞いて安心した

嬉しかった

蕾は、軽くにニコっと笑った

イキナリ蕾を抱きしめる初騎






「好きだ」

蕾の耳元で囁く初騎

「なっ何言って」

混乱する蕾は、初騎から離れようと肩を強く押した

それでも離してくれない初騎
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