一生に二度の初恋を『あなたへ』
「確認したかった。春に逢うことで、俺は高梨に春を重ねたわけじゃないことを」
「それに俺にとっては、春が大切なのは変わらないから……幸せに毎日過ごしているところを見たかった」
わたしのために……って言ったら都合が良すぎるけれど、わたしと春さんは似てるから。
しっかり区別をつけようとしてくれた?
もちろん春さんは大事。長く強く好きだった昔からの幼なじみ。
だけど、わたしを選んでくれた。本当に?
……どうしよう、嬉しい。
だって……だって……。
この恋は、ずっと叶わないって……。
自分の気持ちに苦しんできたんだから。
心臓は、身体全身の脈が分かるほど、大きく速く動いている。高鳴りが聞こえる。
斎藤くんはわたしの目をずっと見ていた。
わたしはそれに対して、目を合わせたり、またそらしたり。
ーーどうすればいいか分からない。